アトピー治療・医療レーザー脱毛・美容皮膚科なら星ヶ丘皮膚科/七つ星皮膚科(名古屋駅セントラルタワーズ/千種区)

医療法人 愛星会
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日本人は、皮膚が弱いと言われています。皮膚にトラブルが生じた時は、身体の不調を伴っています。当院では症状を治すだけではなく、トラブルを生じない身体づくりのアドバイスをさせていただきます。

亜鉛解説

生命の誕生から

私たち生命体は、もともとミネラルを利用するようにつくられており、ミネラルは私たちの身体の細胞一つひとつが働くために重要な役割をしています。このことは生命の誕生以来連綿と受け継がれてきました。

 そして、私たちが必要とするミネラルの中でも、人体に特に重要な働きをするのが亜鉛で、300以上の酵素の活性化を始め、免疫系、神経系など、実に全身に多岐にわたって重要な役割を果たしています。

ミネラルの基礎知識

人間の身体は、骨や筋肉や各種臓器、神経、皮膚などで構成されています。これらをどんどん細かくしていくと最終的には元素に行き着きます。元素とは、自然界における物質の最小単位です。

 人体を構成する主な元素は、水素、炭素、窒素、酸素の4つ。これらを四元素と呼び、人体の約95%はこれら四元素で構成されています。

 四元素以外の元素をミネラルといい、とくに人体に欠かせないミネラルを必須ミネラルと呼んでいます。必須ミネラルは16種類あり、塩素とヨウ素を除くと一般に金属元素といわれるものばかりです。

 必須ミネラルは主要ミネラルと微量ミネラルに区分されます。

主要ミネラル:カルシウム・リン・マグネシウム・ナトリウム・カリウム・塩素・イオウ
微量ミネラル:鉄・亜鉛・銅・マンガン・コバルト・モリブデン・セレン・ヨウ素・クロム

これらの必須ミネラルは私たちが生きていく上で、たとえ微量と言えども、どうしても欠かすことができません。
 人体にとって最も多く必要とされる微量ミネラルは鉄です。身体中に酸素を運ぶ赤血球中のヘモグロビンは、鉄を含有することによって盛んに活動するのです。  鉄に続いて多く必要とされるのが亜鉛です。

亜鉛はどこにある?

 体内にある鉄のほとんどはヘモグロビンとして存在しており、その働きはある程度限られています。それに対し、2番目に多い亜鉛は非常に多くの働きがあります。身体中のさまざまな部位に存在している亜鉛は、ミネラルきっての働き者と言っても言い過ぎではないでしょう。

 人体には合わせて1.4~2.3gの亜鉛が含まれています。そのうち約半分は血液中に含まれ、とくに、免疫としての役割を発揮する白血球には高い濃度で含まれています。残りの半分が存在しているのは、骨や皮膚、そして臓器です。臓器の中では、「腎臓や肝臓」「心臓」「肺」「膵臓」「生殖器」などに高濃度に含有されています。

 体内に存在する亜鉛の量は、年齢を重ねるごとに徐々に減少します。鉄や銅、マグネシウムなど他のミネラルも年をとるにつれて減少するのですが、亜鉛はとくに極端に減ってしますのです。

 50歳を越えた人の亜鉛の体内含有量を調べてみると、10歳~20歳の少年の約10分の1ほどしかありません。現代では、亜鉛の減少と老化現象との間に密接な関わりがあることは、もはや常識です。残念ながら老化だけは防ぐことはできませんが、亜鉛の量を十分に保つことで、老化のスピードを遅らせることはできそうです。

 「50歳を過ぎたら積極的に亜鉛を摂取すべきだ」と、唱えている医学博士もいるほどです。

亜鉛治療の歴史

亜鉛は中国では「金」へんに「辛」と書きますが、日本で「亜鉛」という字が当てられたのは、江戸時代の中期。寺島良安という漢方医が、「見た目が鉛と似ているから」との理由で名付けたと伝えられています。

 鉛と言えば、非常に強い毒性をもつものとして知られていますが、鉛と亜鉛はまったく別の性質を持った金属です。
 実際に亜鉛は、人体に不可欠な微量ミネラルのひとつとして知られています。近年こそ亜鉛の性質が正しく認識されるようになりましたが、ごく最近まで、亜鉛を悪いイメージでとらえていた人が多かったのは、この不幸な命名に原因があったのかも知れません。

 古代エジプトの時代にはすでに薬として用いられていた亜鉛ですが、日本では主に皮膚の炎症やキズを治療する軟膏として活躍してきました。

 また、タンパク質の合成を促すという亜鉛の性質に目をつけた酪農家たちが、牛や豚などの食用家畜のエサとして使ってきたという歴史もあります。

酵素との深い関係

120以上の酵素に含まれ、300以上の酵素の働きを助ける

 ミネラルとしての亜鉛が人体に及ぼす作用は多くありますが、そのほとんどが酵素の働きと密接に関わっています。

 体内にはおよそ数千の酵素がありますが、そのうち約300種以上の酵素の反応に亜鉛が関与していることがわかっています。

 亜鉛はこれらの酵素が安定した構造を維持したり、活性化して働いたりするための中心的な存在なのです。以下に挙げたのは、亜鉛と酵素の深い関わりのうちのほんの一例に過ぎませんが、これだけでも亜鉛の偉大さが十分に理解できると思います。

酵 素 名 機 能
カルボキシペプチターゼ  タンパク質の分解 
サーモリシン 内部ペプチド結合の加水分解 
炭酸脱水酵素 血液のpHの調整
アルコール脱水素酵素  アルコール代謝
スーパー・オキサイド・ジムスターゼ
(SOD)
活性酸素の分解
コラゲナーゼ コラーゲンの分解
ディペプチターゼ ディパプチドをアミノ酸に分解
DNAポリミラーゼ DNA合成
DNA合成 RNA合成

細胞分裂にも亜鉛

細胞の形成や代謝に深く関係している

 細胞分裂によって、新しい細胞をつくる際にも亜鉛は欠かせません。
 細胞は核の中に遺伝情報を記したDNA(デオキシリボ核酸)を保持しているのですが、その情報を複製してRNAを合成するポリメラーゼという酵素は、亜鉛を含有しています。

 細胞分裂の際にDNAをコピーする働きがあるジンクフィンガー構造を持っているタンパク質にも、その名前にある通りジンク=Zinc=亜鉛が多く含まれています。

 亜鉛が不足していると遺伝情報が正しく複製されず、細胞分裂の際にDNAの組み替えを失敗してしまう可能性が高まります。亜鉛が細胞の正常な分裂を促した結果として、私たちは健康的に生命を維持することができるのです。

不足すると → 細胞分裂が正常に行えない。発育障害。

ホルモンと亜鉛

ホルモン分泌の活性化

 亜鉛の大きな働きのひとつに、ホルモン分泌の活性化が挙げられます。とくに、性ホルモン・甲状腺ホルモン・インシュリンの合成には、亜鉛は欠かせません。
 近年では、甲状腺ホルモンと亜鉛の密接な関係も明らかになってきました。人間のあらゆる細胞は甲状腺ホルモンを必要としているため、甲状腺ホルモンをキャッチするための受容体を持っているのですが、この受容体の形成に亜鉛が必要とされているのです。

性腺分泌の活性化

男性の場合:

成人男性の体内には約2gほどの亜鉛が含まれていますが、最も多く亜鉛を必要としているのは性腺や前立腺です。精巣は精子をつくる臓器であると同時に、男性ホルモンのひとつであるテストステロンの合成も行っています。

 テストステロンは男性の性欲などをつかさどるホルモンとしても知られており、亜鉛が不足するとホルモンの働きが弱まるために、性欲が著しく減少したり、勃起不全を起こして性交渉不能に陥る原因になります。

 その上、精液は濃度が薄くなり、精液の運動能力も弱まるので、生殖能力そのものが危機にさらされることになります。

 アメリカでは、亜鉛は古くから精力増強に効果がある「セックスミネラル」として位置づけられており、ドラッグストアには必ずと言っていいほど亜鉛の入ったサプリメントが売られています。

  *不足すると → 性欲減退、勃起不全、精液の減少、精子数の減少、不妊、性器発育不全

女性の場合:

 亜鉛は女性ホルモンの生成にも深く関連していることがわかっています。女性の卵巣には亜鉛がたくさん含まれていて、黄体形成ホルモンや卵細胞刺激ホルモンのはたらきを強めています。亜鉛が不足すると女性ホルモンの分泌が抑えられるため、月経周期に乱れが生じ、生理不順となってしまうわけです。

 皮膚病の患者さんの中で、生理不順を伴っている女性がとても多いのには驚かされます。亜鉛を主体としたミネラル療法を行っていると、皮膚病よりも先に生理不順が治ることがよくあります。

 卵子そのものにも、高い濃度で亜鉛が含まれています。従って、女性に亜鉛が不足すると、妊娠が非常に難しくなるのです。

 無理なダイエットなどで亜鉛の摂取量が減少した結果、不妊症の女性が増えているとさえいわれています。

  *不足すると → 生理不順、不妊

糖・脂質代謝にも亜鉛

糖・脂質代謝の正常性保持

 私たちのエネルギー源は、食物から得られた糖に他なりません。体内に吸収された糖は、ブドウ糖となって血液に入ります。血液中の糖濃度(血糖値)が高まると肝臓や筋肉などの細胞は自らの中にブドウ糖を取り込み、エネルギーに変換します。
 この、細胞が糖を取り込む際において必要になるホルモンが、インシュリンです。

 糖尿病の人はインシュリンの作用が十分でないため、細胞が十分な量のブドウ糖を血液中から取り込むことができません。
 インシュリンの機能不全は糖の代謝だけでなく、脂肪の代謝やタンパク質の代謝にも悪影響を与えるため、非常に恐ろしい合併症を誘発します。動脈硬化、高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、失明など、糖尿病の怖さは糖尿病そのものより合併症にあると言ってもいいほどです。

 

 糖尿病の原因はインシュリンの機能不全ですが、膵臓でインシュリンをつくる際には、亜鉛が欠かせません。さらに、亜鉛にはインシュリンの働きを持続させる力もあるのです。
 糖尿病の直接的な原因はエネルギーの過剰摂取と運動不足による肥満ですが、亜鉛不足という要因が絡んでいるのも間違いないのです。

妊婦にも亜鉛

妊娠の持続

 妊娠すると、今まで以上に多くの亜鉛が必要になります。妊娠女性の子宮の中で受精卵が絶えず細胞分裂を繰り返す際に、欠かせないミネラルが亜鉛なのです。

 胎児が成長を遂げるとき成長ホルモンが働きますが、それを助けるのも亜鉛の仕事。妊婦は妊娠週数を積み重ねるほどに、多くの亜鉛を摂取するよう心がけなければなりません。

 妊娠14週目を過ぎた頃から妊婦の血中亜鉛濃度は減少を始めます。亜鉛不足を放置しておくと、胎児に影響を及ぼします。

 

 最近の学会では、「低亜鉛母乳」の問題がクローズアップされております。母乳の中に、本来は十分あるはずの亜鉛が少なくなっているために、赤ちゃんの発育が悪かったり、下痢したり、皮膚炎が起こっています。このような場合は、母親と子どもに亜鉛を与えることで、速やかに症状が改善されます。

 厚生労働省の第六次改訂日本人の栄養所要量でも、妊婦と授乳婦は通常より3mg多く亜鉛を摂取すべきとされています。

 *不足すると → 十分に亜鉛を摂取している妊婦と比べ、8倍もの確率で体重の軽い赤ちゃんを産む。
 *不足すると → 早産、流産、奇形、妊娠合併症の危険性。

眼と味覚にも亜鉛

眼病や味覚障害にも亜鉛が有効

【夜盲症や白内障にも有効】

 人間は明るいところから暗いところにはいると、眼が暗さに順応するまで少し時間がかかりますが、このラグタイムが普通より長く必要とする症状を夜盲症(鳥目)といいます。 

 夜盲症は、光を感じとる網膜細胞中のビタミンAが不足することによって起こります。従って、ビタミンAを摂取することによって回復に導くことができます。

 最近では、ビタミンAだけでなく、亜鉛も夜盲症との関係が明らかになってきました。亜鉛は網膜細胞の代謝を高めると同時にビタミンAの代謝を促進するので、夜盲症の治療にはビタミンAと亜鉛の両方を摂取するのが近道になります。

 白内障、黄斑変成の治療にも亜鉛が用いられます。また、健康な水晶体は亜鉛酵素である炭酸脱水酵素が豊富に含まれていることから、水晶体が正常に機能するには亜鉛が欠かせないとも考えられています。

味覚障害にも亜鉛(唾液の分泌(味覚・嗅覚の保持)

 味覚障害とはその名の通り、味の感じ方に異常をきたすことをいいます。味覚障害は老化現象のひとつとしてとらえられてきました。ところが最近では10~20代の若い世代にもひんぱんに味覚障害の症状が見られるようになったのです。

 直接味を感じる細胞を味細胞と言いますが、この細胞はは短い周期でどんどん再生されることがわかっています。そしてその再生には、多くの亜鉛が必です。亜鉛不足が慢性化すると、新しい味細胞を作ることもできず、結果として味覚障害になってしますのです。現在では全症例のおよそ6割が、亜鉛不足によるものだと考えられています。

 私たちに味覚があるのは、エネルギーの元となる糖分に甘みを感じ、タンパク質の生成に必要なアミノ酸に旨味、ミネラルに塩味を感じるのは偶然ではありません、生命維持活動に必要な成分を見分けるためなのです。

皮膚と亜鉛

「にきび」や「しみ」にも亜鉛! さらに美白効果も!

細胞膜の安定化、皮膚の安定性保持、 創傷治癒を早める

 皮膚は身体中のさまざまな組織の中でも新陳代謝が盛んな組織のひとつです。皮膚の下では常に新しい皮膚がつくられていて、古い皮膚が垢となってはがれ落ちると、すぐにとって代われるように準備しています。

 ところが亜鉛が不足していると、皮膚細胞の再生に時間がかかってしまいます。細胞分裂にも亜鉛でも述べましたように、細胞分裂の際に亜鉛が必要になりますから、不足すると新陳代謝がスムーズに行われないで、古い皮膚組織がいつまでも肌の表面に留まらなくてはならないので、肌荒れを起こしてしまいます。

 また、動物実験で亜鉛不足状態にしたときに、脂腺が肥大するというデータがあります。これは、糖を分解したり脂肪を燃焼するときに働く酵素は、亜鉛によって活性化することが関係していると考えられますが、実際に、にきびで悩んでいる方に亜鉛を主体とするミネラルを摂っていただくと、例外がないほど半年後には綺麗な肌に戻ります。

 

 ビタミンCは、シミやそばかすの原因となるメラニンの沈着を防ぐはたらきがありますが、一度シミやそばかすができてしまったら、ビタミンCの出番はありません。ところが、亜鉛なら、メラニンの代謝を促す役割もありますから、できてしまったシミやそばかすを消し去ることもできるのです。

 

 私たちの身体は怪我をしたりキズができたりすると、すぐに新しい細胞を再生して壊れた部分を治そうとします。亜鉛が不足すると、キズの治りが遅くなる一方、幹部に直接亜鉛を与えてやることで治りを早くする方法もあります。古くから使われている外傷治療薬の亜鉛華軟膏はいい例ですね。

 キズだけでなく、やけどを治すためにも亜鉛は大量に消費されます。やけどをすると水ぶくれができますが、この水ぶくれの中の亜鉛濃度は非常に高いという報告があります。

 外傷ではありませんが、胃潰瘍(胃の粘膜にキズができる病気)にも亜鉛が使われています。

免疫機能にも亜鉛

免疫の形成と活性化

 風邪にも亜鉛!

 風邪は、私たちがウイルスに感染することによって発症します。免疫力が低下していると、ウイルスを攻撃したり排出したりできないので、風邪やその他の感染症にかかりやすくなります。この重要な免疫機能を働かせる際にも亜鉛が欠かせないことがわかっています。

 身体の中に病原体やウイルスなどが侵入してくると、私たちの身体はそれを『抗原』と判断します。抗原が入ってきたという情報はすぐさま体内の「T細胞」「B細胞」と呼ばれるリンパ球に伝えられ、抗原に対抗するための『抗体』をつくり、ウィルスや病原体をやっつけるというしくみです。

 この「T細胞」は、体内に亜鉛が不足すると上手く作用しなくなることがわかっています。T細胞は胸腺という臓器でつくられますが、亜鉛不足になると胸腺自体が萎縮して「T細胞」をさまざまな働きを持った免疫抗体に分化させることができなくなってしまうのです。

 年中風邪をひいているという人をたまに見かけることがありますが、そういう人は慢性的な亜鉛不足に陥っている可能性が高いと言えるでしょう。

 私が診ている患者さんの中にも「今年も風邪を引かなくなった」という方もたくさんおられます。私自身も風邪のひきはじめに多めに(亜鉛を)内服していますが、軽くすんでしまうようです。

皮膚と腸の細菌叢

 私たちは、「菌」(微生物)と聞くと怖いものという意識が働き、反射的に除菌したいと思いますが、私たちの身体は無菌では生きていけません。
 私たちの身体には天文学的な数の微生物が住んでいます。皮膚では正常細菌叢といって常に存在している常在菌と一時的に留まる菌があります。

 それらの菌がくまなく皮膚の表面にいることにより、外敵や病原性のある菌の侵入をくい止めています。しかし、アトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚には病原性のある黄色ブドウ状球菌というものが住み着いています。

 この病原性のある黄色ブドウ状球菌があることで問題が起きるということから、除菌するためにイソジン消毒を勧める医者もいるようです。しかし、現在のところ、皮膚から黄色ブドウ状球菌を長期間にわたって完全になくすことは不可能です。

 その理由は、皮膚は外部の環境にさらされているため、黄色ブドウ状球菌もこの環境に普遍的に存在しています。そして、なによりも皮膚に炎症があり、分泌物がある状態では、黄色ブドウ状球菌にとってとても居心地が良い快適な環境になるために、短時間で天文学的な数に増えてしまうからです。

   からだのなかで細菌が多いところといえば腸ですが、腸内細菌叢といって大腸の中には60兆個の細菌からなる一大集団があります。その細菌の構成はよくいわれている「善玉菌」と「悪玉菌」で構成されています。

 腸は人のからだの中で最大の免疫臓器といわれ、その人の免疫系に大きく関わっています。病気になっている人の腸内細菌叢は、必ずといっていいほど悪玉菌が増えています。

 アトピー性皮膚炎では、カンジダ菌といわれる酵母型の真菌(カビ)が増えることでアトピー性皮膚炎になったり、それが悪くなるという「イーストコネクション」という学説が注目されたことがあります。

 確かにカビを退治する抗真菌剤の内服で、驚くほど良くなる患者さんがおられます。現在では腸内のカンジダだけでなく、皮膚の毛穴にいるピチロスポリウムという真菌に対して効果があるともいわれていますが、アトピー性皮膚炎の患者の大腸にカンジダ菌という真菌が増えていることは間違いありません。

 皮膚と同様に、菌のバランスをとるために悪玉菌を排除するのではなく、善玉菌がより快適に居住してくれるために自分の身体を変えていくことが必要です。

発ガン予防に亜鉛

活性酸素の分解・除去

日本では死亡原因の第1位がガンになって久しく、現在日本人の3人に一人はガンが原因で死亡しています。

 しかし、ガン発症のメカニズムについて、まだ完全に究明されていません。とはいえ、ガンが誤った遺伝情報を持った細胞による疾患であることは、明らかです。

 私たちの身体は約60兆個の細胞でできており、その一つひとつの細胞の核には46本の染色体があり、1本の染色体におよそ1000~3000個の遺伝子が含まれています。遺伝子を構成しているのは二重螺旋構造を持ったDNA(デオキシリボ核酸)と呼ばれる物質です。

 それぞれの細胞が絶えず分裂を繰り返す際にはDNAが正確に複製されます。

 ところが、このDNAの複製が何らかの理由で正しく行われず、欠陥遺伝子を持った細胞が発生することがあり、この異常な細胞がガン細胞と呼ばれるものです。

 このガン細胞を誘発するのが、発ガン性物質です。発ガン性物質は主に化学物質で、食品添加物や農薬などに含まれているのではないかと考えられています。

 農薬や食品添加物など、それ自体に発ガン性がなくても、他の物質と化学反応を起こすことによって発ガン性を帯びるものもあり、まったく油断がなりません。

 近年の研究では、発ガン性物質が活性酸素を武器にDNAを破壊し、突然変異細胞を生み出していることが明らかになりつつあります。

 活性酸素とは、その字の通り、非常に反応性が高い状態の酸素のことで、フリーラジカルとも呼ばれ、主なものに「スーパーオキサイドアニオンラジカル」「過酸化水素水」「ヒドロキシルラジカル」などがあります。(詳しくは「亜鉛」超健康法P39~をご参照ください)

 

 活性酸素は、強力な酸化力で遺伝子を傷つけたり細胞膜を破壊したりします。(活性酸素は体内にウイルスや病原菌が侵入すると、侵入者を殺すという健康の維持のために活用される面もあります。)

 体内に生じた活性酸素を消去するスカンベンジャーシステムと呼ばれる機能も人体には備わっています。

 スーパーオキサイドアニオンラジカルを分化するSOD(スーパーオサイドジスムターゼ)をはじめ、鉄とマンガンを含むカタラーゼ、セレンを含むグルタチオンペルオキシターゼなどの酵素が、活性酸素を除去する働きがあることで知られています。

 SODには、マンガン、銅のほか、亜鉛が含まれていることが知られています。つまり、活性酸素の除去にも亜鉛が一役買っているわけです。

 

 DNAの正確な複製を助け、活性酸素消去機能を活性化させる亜鉛は、ガンの予防にもとても役立つミネラルです。

有害金属の排出

有害なミネラルの排出

 金属ミネラルは適量では生体にとって必要なものですが、亜鉛のように生命維持活動に貢献するもので欠乏しがちなものもあれば、逆に過剰量で身体を不健康に陥れたり傷つけたりするものもあります。

 現代社会では環境の劣悪化が進んでいるため、カドミウム、ヒ素、鉛や水銀などの有害なミネラルが蔓延しています。

 

 有害金属や活性酸素の解毒に力を発揮するメタロチオネインというタンパク質がありますが、この物質が肝臓で作られるプロセスにおいて、亜鉛を必要とすることがわかっています。

 砒素の毒性は亜鉛、セレンなどのミネラルによって抑えることができます。カドミウムの毒性は、亜鉛、銅、鉄、セレンが抑えます。(イタイイタイ病の治療に亜鉛が投与されて効果を上げたという記録も残っています。)

 同程度の量の有害ミネラルが体内に入ってきても、健康を著しく害する人もいれば、比較的症状が軽い人もいます。このような症状の程度の差は、ひとえにこの自浄作用のレベルにかかっています。亜鉛やセレンのような善玉ミネラルを十分に摂取している人は、悪玉ミネラルに負けにくい体質を持っているのです。

 

 環境汚染が進み、あらゆる食料品が農薬や食品添加物にまみれているといっても過言ではない現代の日本において、私たちが人体に有害なミネラルを体内に取り込んでしまうのは、ある程度は仕方のないことかもしれません。

 そのような状況の中で、毒性の影響を最小限にくい止めるためにも、亜鉛を中心とする健康増進に役立つミネラルを、必要な分だけきちんと摂取する必要があると思います。

脱毛と亜鉛の関係

 毛髪は微量ミネラルの排泄器官だとも考えられています。髪の毛には亜鉛をはじめとする微量ミネラルがとても豊富に含まれており、その濃度は血液や尿の10倍以上とも言われています。

 髪の毛の大部分は、イオウをふんだんに含んだケラチンと呼ばれる繊維タンパクでできています。毛母内でケラチンが生成されている際、ケラチンの中にあるシスティンという物質が血液中にある微量ミネラルを取り込むからです。

 アメリカでは、健康状態を知るために、微量ミネラルの毛髪分析が盛んに行われています。

 髪の毛と亜鉛とは強い関係があります。亜鉛不足に陥ると、脱毛や抜け毛が増えるのは、当然の現象なのです。

 髪の毛は毎月およそ1~1.5cmの割合で伸びます。毛根の中にある毛母という部分で作られた毛髪組織は、先に作られた組織をどんどん押し上げながら成長していくのです。

 髪の伸び方は毛根の亜鉛量に左右され、亜鉛が少ないと髪の伸びは悪くなり、また抜け毛も多くなります。

 亜鉛が不足すると、髪質も悪くなります。健康な髪はクチクラと呼ばれるうろこ状の物質で覆われていますが、亜鉛が不足するとクチクラの生成に異変が生じ、すぐに切れてしまう脆い髪になってしまいます。

なぜ亜鉛不足に?

なぜ現代日本人に亜鉛が不足するのか

 亜鉛をはじめとするあらゆるミネラルは、私たちの身体の中で新たに作り出すことはできません。私たちは生きていく上で必要なミネラルをすべて、食事によって賄っているのです。

 しかし、健康な人も現代では亜鉛不足に陥ります。なぜでしょうか?これまでにも述べてきましたが、もう一度まとめてみましょう。

【第1の理由】

 日本の土壌に原因があります。日本は火山灰地の多い土壌で、ミネラル含有量は欧米の土壌に含まれているミネラルの1/3だそうです。その上、雨が多いので土壌のミネラルが流失しやすいという気候です。

 また、近年、生産効率を上げるために農薬をふんだんに使ったり、窒素・リン酸・カリ主体の化学肥料を長年にわたって大量に使用してきた結果、マンガンや鉄、銅、亜鉛などの微量ミネラルが非常に不足した土壌になってしまっています。

 そのようなミネラルの偏った土壌で栽培された作物を食べても、ミネラル不足は決して解消されないのです。

【第2の理由】

 現代日本人の食生活にあります。私たちの食事の基本となる和食は、洋食と比べて元々亜鉛の少ない食事であることが知られています。ヨーロッパやアメリカに住む人々は主に肉やチーズから亜鉛を摂取していますが、和食はご飯と味噌汁が中心のため、もともと亜鉛不足になりやすい食文化だったのです。そう、私たち日本人は必要な亜鉛のほとんどを米から摂取していたのです。

 では、なぜ昔は亜鉛不足にならなかったかというと、ご飯に味噌汁、漬け物と焼き魚のように質素な食事で、低カロリーでありながらミネラルはそこそことれており、全体にバランスがとれていました。

 しかしながら、今は主食の米よりも副食のお惣菜が多いような高カロリー食です。その上、ファーストフードや清涼飲料水、ケーキやお菓子などの甘いものにも事欠きません。糖・脂質代謝にも亜鉛やミネラル亜鉛療法で述べたように、摂取するカロリーが高くなれば、そのカロリーに見合う亜鉛が必要になるため、現代日本人は相対的に亜鉛不足状態になっています。

 高カロリー食の多い若年層にアトピー性皮膚炎や花粉症が発症しやすいということが理解できるでしょう。

【第3の理由】

 食品添加物があげられます。 最近ではパン食を中心に据える人も増えてきました。パンはご飯と比べて、元々含まれている亜鉛の量が足りません。そのうえ、変色を防いだり保存性を高めたりするために、フィチン酸という食品添加物が含まれています。

 フィチン酸は米糠や豆類など天然の食物にも含まれている物質なのですが、何と亜鉛を吸収しにくくする性質があるのです。

 さらに、フィチン酸の多い食物を食物繊維やカルシウムと同時にとると亜鉛がますます溶けにくくなって、ほとんど吸収されなくなってしまうのです。  昨今の健康ブームで特にもてはやされている食物繊維とカルシウムが、亜鉛の吸収を阻害しているとは皮肉です。

 フィチン酸以外にも亜鉛の吸収や働きを妨害する添加物はたくさんあります。ポリリン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、カルボキシメチルセルロースなどです。これらの添加物は、膨張剤、乳化剤、酸化防止剤、安定剤など使われていますが、亜鉛を体外に排出する作用があるのです。

 食品添加物はインスタント食品やファーストフード、ポテトチップスなどにも多く含まれていることが知られています。

妊婦の方や乳児にアトピー性皮膚炎などの皮膚疾患が多い理由

 一つの受精卵が60兆個にも細胞分裂を繰り返すためには亜鉛が大量に必要となります。このことから、妊娠14週目を過ぎた頃から妊婦の血中亜鉛濃度は減少を始めます。

 妊娠してから肌荒れや皮膚疾患が発症したという方がおられるのは、母胎と赤ちゃんの二人分の亜鉛などの栄養素が必要とされるためです。
 亜鉛を十分に補給できなかった母胎からは、通常よりも亜鉛含有量の少ない「低亜鉛母乳」しか赤ちゃんに与えられないことになり、赤ちゃんの発育が悪かったり、下痢したり、皮膚炎が起こる一因となります。

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患の方

 亜鉛不足が一因と考えられますが、食事で補おうとしても十分に補えない方が多くいます。また、アトピーやアレルギーを持っている人たちは、平均してよく食べる傾向がありますが、不思議と太っていません。

 これらの理由は、アトピー性皮膚炎の患者さんの腸は弾力がなく、吸収力が落ちている傾向が非常に高いからです。このような腸の状態はファイバースコープを使った検査でも明らかになっています。

 アトピーの人は、下痢、便秘が多くあらわれるというのも特徴の一つになります。栄養豊富な玄米を食べると症状が悪化するという方もおられます。

 それは、消化吸収力の落ちたところに、消化の悪い玄米を食べても豊富な栄養を吸収することができないためです。

 

 現代人は、水、大気などの全ての自然環境の悪化、環境ホルモンや有害物質にさらされたうえ、食品添加物やストレスに囲まれて生活をしているようにも思えます。

 これらの要因が、すべて亜鉛不足を招いていると考えてられています。私たちは、それら全ての要因を避けて生活することは、不可能です。

 ですから、私たちは亜鉛をはじめとするミネラルやビタミンを十分に補給することで健康を維持いていくことが必要です。

 そのためには、亜鉛などのミネラルが十分に含まれているバランスの良い食事が基本となります。

 しかし、アトピー性皮膚炎など皮膚疾患のある方やアレルギーのある方は、前述のように消化吸収力が弱っていることが多く、食事によって薬理量に匹敵する亜鉛を摂取するのは不可能です。

 したがって、治療期間はサプリメントで亜鉛を内服することが必要なのです。ここまで、順に読み進んで頂いた方はもうおわかりでしょう。

 亜鉛は胃腸の創傷にも治癒効果を発揮します。ミネラル亜鉛療法によって、消化吸収能力が元通りになれば、通常の食事量で健康を維持していくことができるのです。